不動産鑑定士とは
不動産鑑定士の仕事は一般の方には馴染みが薄いと言われることがあります。ご存じない方のために,不動産鑑定評価について簡単にご説明します。
◯不動産の鑑定評価とは
不動産の鑑定評価は,その対象である不動産の経済価値を判定し,その結果を貨幣額をもって表示することです。国の定めた「不動産鑑定評価基準」によれば,不動産の鑑定評価とは,「現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格(売り手にも買い手にも偏らない適正な価格)を,不動産鑑定士が的確に把握する作業に代表されるように,練達堪能な専門家によって初めて可能な仕事」と位置づけています。このような意味において,不動産の鑑定評価とは,不動産の価格に関する専門家である不動産鑑定士の判断・意見とされ,公的機関において立証資料として尊重・採用されています。
◯不動産鑑定評価書とは
不動産鑑定評価書は不動産鑑定の専門能力を認められた不動産鑑定士が,不動産鑑定に関する法律と不動産鑑定評価基準に基づいて作成され,公的な登録を受けた不動産鑑定業者から発行されたものです。
不動産鑑定評価書には不動産の基本的事項と鑑定評価額,そして価格決定に至った経緯が詳細に説明されています。これらは定められた手順と手続きを経て,公正中立な立場で作成されています。不動産鑑定評価を担当した不動産鑑定士は,その評価額と内容に対して説明責任を有しており,その証として不動産鑑定評価書には不動産鑑定士による署名・押印がなされています。そのため,不動産鑑定評価書は裁判所,税務署などの公的機関が公用文書として認めるものであり,また,争いの当事者にとっても専門家の認める不動産価値として有用となるものです。
◯不動産鑑定士との関わり方
対象となる不動産の状況や権利の態様によってその評価額は異なるため,鑑定評価ではまず不動産に関する物的条件や権利関係の確定・確認作業を行います。権利関係による価値把握や処分方法など前段階でご相談いただければ様々なアイデアが出せると思います。
不動産鑑定士が受け取る鑑定報酬額については公的な取り決めはありません。対象不動産の種類や評価額の総額で決まることが多いので,所在地・面積・権利によって評価報酬額が変わります。詳細はお問い合わせ下さい。
→「料金一欄」
◯不動産鑑定士の仕事
不動産鑑定士の仕事はこんな時にお役立ていただけます。
○不動産を相続するとき(財産の公平な分配)
○紛争の解決(裁判等で評価書の活用)
○公共用地買収の時(適正な補償と財産権保護)
○不動産を担保にする時(適正な担保価値の把握)
○不動産の有効活用等のコンサルティング業務
その他,毎年3月下旬に発表される地価公示価格,9月下旬に発表される地価調査価格や固定資産税の土地評価額の基礎となる価格を算定しているのが不動産鑑定士です。
→「不動産鑑定士の仕事」